ルティエ教会にて


 誰も居ない教会内部にて、 私はたまに歌を歌う事がある。
別に誰かに聞いて欲しいわけじゃない、 ただ歌いたくなった時たまにこうして訪れるだけ。
その時歌う歌はまちまち、 賛美歌の時もあれば自分の好きな歌の時もある。


「粉雪ねぇ、 心まで白く染められたなら・・・・・・」


 今日は何となくこの歌、 外の雪も近いものがあるからなのか・・・・・・・
それとも、 歌詞になにか感じるものがあるからなのか、 この歌は好きです。


「空にかえすから・・・・・・」


 1曲歌い終わった所で少し休憩する。
誰が聞いている訳でもないし、 歌いたい時に歌うから楽しかったりするのだ。
別にこれといって急ぐ理由もなければ、 休んではいけない理由も無い。


 何か嫌な事、 辛い事、 悲しい事があった時は歌を歌うと良いらしい。
気分的に無理やりでも明るく出来るから。
だから私も実際にやっている。
別に悲しい時だけじゃない、 楽しい時だって歌を歌っている。
歌は色々な歌がある。
魂を慰める歌、 誰かを勇気付ける歌、 恋している人に捧げる歌・・・・・・・


 私が歌う歌はどんなものなのだろうか?
聞く人によって意見は変わると思う、 それはその人の捕らえ方であり個性だから。
でも、 私は・・・・・・誰かを癒せる、 安らげる優しい歌を出来れば歌いたい。
プリーストとしてではなく、 私自身の、 『ユナ ミストレル』個人の意思として・・・・・・


 だから私は今日も何かを歌っている。
それが、 貴方の傷ついた翼を癒せたら、 私は幸せだと思う・・・・・・


 貴方の翼に力を、 再びこの世界を羽ばたけるだけの夢を、 希望を。